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第6章 偏見を正し、寛容を築く

Chapter 6
偏見を正し、寛容を築く

 人類は人種、民族、宗教、性、ジェンダーや社会的経済的な階層による違いに対して、次第に冷酷になっていています。わたしたちは偏見や差別の言い訳として「違い」を作ってきた。民族や宗教の不一致は本格的な武装闘争へと変わり、多くの命が亡き者とされてきました。今後、多様性への寛容を築く事は、違うことが暴力を正統化してしまうような憎悪につつまれた世界に、緊急に求められていることなのです。

 偏見とは、何の根拠もなくても、ある人やグループに抱く否定的な感情や態度のことです。(オルポート、1958)ステレオタイプとは不十分な知識に基づく、人やグループに対する否定的な見方のことです。差別とはある特定のグループに所属する人に対する否定的な行動であり、それは忌避、嫌悪、そして暴力にまで至るものだとされています。(Franzoi, 1986)ステレオタイプ、即ちあるグループに対する否定的な見方を信じていることは、偏見的な感情の根拠となり、言い換えればそれは否定的な行動や差別につながっていくのです。


偏見についての理論

 偏見がどのように始まり、伝えられ、維持されて行くのかについての理論は幾つもあります。その中で影響力の強いものの一つに、社会的学習理論(Altemeyer,1981)があります。偏見とは、時には何世代にもわたり、ずっと続いて行くものであり、家庭や学校、メディアを含む様々な場をとおして補強されていくというものです。偏見は無知や情報不足から生まれるものであるとも言われています。(Betlehem,1985)それはまた、自分や自分のグループが他より勝っていると考える人の傾向であり、その結果、そのグループに所属しない事を理由にした人々への誹謗中傷につながっていきます。(Social Identity Theory, Tajfel & Turne,1979)

偏見の様々なかたち
 はじめに偏見を単純に人種差別と同じものだと見なしてきました。しかし、何度も気づかされてきたように、別の形の偏見も存在しています。そこで、偏見というものについて、ここでは主に以下のようなものにも広げてとらえていきます。

 ●人種差別主義  
  ある人の所属する文化的、人種的にひき継がれてきたものが、他より本来的に勝っているために、 “異なる人種”に属する人々に対して、尊敬や高い評価を与える事ができないことを言います。

 ●性差別主義
  性による違いを根拠に、女性を劣った者とする態度、行為、組織的な構造によるシステム。(Mcginnis & Oehlberg,1991)
 
 ●異性愛主義
  レズビアンやゲイの人々に対する否定的な態度

 ●階級主義
  貧しい人々から距離をおき、“他の人”として認識すること(Lott,1995)

 ●言語差別主義
  支配的な言語を話す人たちが、その言語を話さない人に対してもつ、否定的な態度
(Chen-Hayes, Chen & Athar, n.d.)

 ●年齢差別主義
   若い人、あるいは高齢者に対する否定的な態度

 ●“見た目主義”
  ある人々が美しさの標準に至っていないため、その人々に対する偏見。通常、太っている、痩せ過ぎ、色が黒い等の人が犠牲となる事が多い。(Nario-Galace, 2003)

 ●宗教的不寛容
  自分自身とは違う宗教を信じている人々に対する偏見


寛容のための教育

 偏見は寛容を教える事によって変える事ができるかもしれません。寛容とは、文化や人間のさまざまな表現のかたちがある豊かな多様性に対して、尊敬、受容、肯定的な評価を行うことです。(UNESCO,1995)

 これは民主主義と人権の基礎となります。寛容の教育は、恐怖や嫌悪、他者の排除につながるものに対抗することを目的としています。寛容とは自分とは違う人々も自分と同じように権利を持つ者である事を知っていることです。

 なぜ、寛容を教えるのか?UNESCOは教育の最も効果的な意義は不寛容の防止であると断言しています。異なる文化を肯定的に受け止め、人間の尊厳に敬意を払い、紛争を防ぎ、対立を友好的に解決していく市民を育てる教育が学校でも必要とされています。

 教育を通して、違いのある他者に対する憎悪のプロパガンダを信じる事のないようにすることは必須です。主要な宗教はみな信者たちに自分にするように他者を敬い、尊厳をもって接する事を求めています。さらに、人権についてのさまざまな方法によって偏見を正すことは重要な事とされています。国は国際的な合意や条約によって思想、良心、宗教、意見、表現の自由としての人権を擁護し、推進する事を確約しています。「人種及び人種差別に関する宣言」の1条2項では「すべての個人と団体は違いのある存在である権利がある」ことを明記しています(http://www.unesco.org)。さらに、寛容を教える事は、実践的な新しい方法なのです。不寛容は社会において暴力やテロリズム、差別を生み出すもととなります。さまざまな要素の中で、違いに対する敬意が欠如は、2者の、あるいはそれ以上のグループの間の紛争の火種となります。たとえば、北アイルランドのカトリック対プロテスタント、イスラエルにおけるイスラエル対パレスチナ、ボスニアのセルビア人とコソボのアルバニア系の人々、ルワンダのツツ族とフツ族、そしてミンダナオ島のキリスト教徒とイスラム教徒など上げられます。世界保健機構によると100秒に1人の割合で武力紛争での死者が増えています。寛容のための教育は人権を守り、命を救うことのなのです。

 学校においては、偏見をもっていると、学業成績やセルフエスティーム(自尊感情)に負の影響を与えています。(Ancis,et.al,1993) その被害者たちは学校をドロップアウトすることもよく起ります。また、孤立や疎外を感じた被害者の心理的な健康は損なわれ(Nebille et Al,、1997)、身体的な健康も負の影響を受けます。被害者は自分の能力に否定的な見方を自分にも取り込んで、だから他の人たちはこのように扱うのだし、自分の持っている力を発揮していきていくことができません。Levine(1997)によると学校において偏見の犠牲者となるのは、特にできない子かとてもできる子かであることが多いと報告しています。経済的に不利な子ども、見た目が普通より劣っている子ども、そして何か障がいがある子ども。被害者たちは、仲間はずれにされ、あざけられ、身体的にも痛めつけられるのが普通です。

 B.Harro(1982)は人間は社会に生まれた所からすでに、ステレオタイプと偏見をもって生まれてくると主張しています。これらのステレオタイプと偏見は人間が社会化されていく家庭や組織の中で強化されて行きます。

 平和教育センター(CPE)では、フィリピン各地で行ったワークショップの参加者たち、主に教師と生徒を対象に、彼等が特定の人々のグループに持っている先入観について調査を行いました。参加者たちは、自分たちが育つ中で受けたそのグループについてのメッセージを神に書き出してみました。これらの偏見メッセージの多くは、驚いた事に、もしそのまま受け取れば、心が傷つくものでした。幸い、社会科のサイクルの中で強化されるこれらの先入観は、教育を通して是正されていくことができるのです。

 CPEのワークショップで参加者から寄せられた先入観の言葉のリストを上げておきます。

●英語が話せない人  ばか、おろかもの、ぐず、無知、貧乏人、活動家
 
●体重が重い人    ブタ、見にくい、もてない、大喰い

●頭が良すぎる人   うんざり、一匹狼(寂しい)、ダサイ、リンゴ磨き、先生の犬、
           友だち無し、わざとらしい、付き合いが悪い、堅物/窮屈

●とても見た目がいい人 ワル、ゲイ/レズビアン、お高い、大げさなヤツ、淫らな、
            成り上がり、うぬぼれ屋、のろま、俗物、遊び人、あばずれ

●田舎、地方出身者  あか抜けない、文明化されてない、ダサイ、〃、下男/召使い、
           おろかもの、鬼婆、無知

●色肌のきれいな人   大げさ、偉そうな、金持ち、わざとらしい、いばった

●肌の色の黒い人   みにくい、貧乏人、スラムの人、黒い羊、信用出来ない人、泥棒、
           土方/建設労働者  
 
●お金持ちな人    わざとらしい、お高い、官僚、欲深い、抑圧者、気難しい、
           利用する人、ワイロ、

●アメリカ人   お高い、自分勝手な、操る人、日和見主義、人種差別者、物質主義、
         乱暴者、傲慢、上から目線、

●イスラム教徒  誘拐者、暴力、売国奴/裏切り者、テロリスト、殺人者、戦争好き、
   チンピラ/暴力団、ケンカ好き、狂信者

●お年寄り    自分だけが正しい、すべて知っている、気にし過ぎ、気難しい、
         厳しい、使えない、心が狭い、古い学校


●子ども/若者  手に負えない、無責任な、ガキ、何にもわかってない、図太い
         反逆的な、粗野な、破壊的な、自分勝手な


●男性      自慢タラしい、上から目線、いんちき、女たらし、賭博師、マニア、
         戦争マニア、怠け者、怒りっぽい、自分勝手、権力志向

●女性      感情的、気まぐれ、弱い、ガミガミ小言を言う、おしゃべり、
         家に縛られている、上辺だけの、うぬぼれ、物質主義、泣く子、
         大げさ



教え方•学び方のアイデア
         
 偏見とは自分中心の判断、一つの正しい方法でしか世界を経験することはできないと言う考え方に基づいています。(Aboud,1998) 正しくあるということが、幾つもの方法があることを知ることが、学校が提供出来ることであり、生徒たちがより拓かれた信念を取り入れることができるようになります。

 寛容を教え/学ぶ以来るかの方法を上げておきます。

• あなた自身の先入観を調べてみましょう。クラスの中で、身体的に、あるいは社会的経済的に優れていて、好感を持てる生徒はいますか?

• 言葉は意識を形づくるものですから、包括的な、そして/または差別しない言葉を使ってみましょう。
  例:“人/男性(Man)”ではなく“人間”、“黒人”ではなく“アフリカ系アメリカ人”、
    “年寄り”でなく“高齢者”、“デブ”ではなく“重い人”


•生徒同士お互いに、ほめる言葉を掛け合いましょう。ただし、性や社会経済的な地位とは関係のないもので。あなたがもしも、身体的に魅力的な人をほめる傾向があるか、等。

•多様性は豊かであるという考えに注目してみます。違いは祝福されるものであり、物笑いのタネにしていいものではなく、私たちは他の人々から多くの新しい事を学ぶということです。それはフルーツサラダが、様々な違った香りや色の果物から作っていても、とてもおいしいものになっているというのに似ています。


•教材や教室の飾り等を用いて人種的な、身体的な多様な表れをみせてみましょう。

•私たちの教科書や参考書、副読本やカリキュラム、コースの作り方のなかに、例えば、性、人種、民族、宗教等に関する先入観があるかどうか、調べてみましょう。

•生徒たちが今いる所について知りましょう。彼等が違いに関して持っている見方を率直に表す事ができるようにしましょう。Stern-LaRosaとBetmann(2000)と寛容を教える
プロジェクト(1991)に述べられている事を以下に示しておきます。

●私たちがみる事に関して、たった一つの意見でまとめることは公正ではありません。
 人の肌の色はその人の心に何の関係もありません。

●本来的に人がコントロール出来ないものでなく、正統な基準で友人をつくることを勧めます。
 “だれか、肌の色を変える事が出来ますか?”“例えば、髪の手触りがいい友だちになることに関係しますか?”


●人を攻撃するチームの一員としてみるよりも、ある個人としてみることが重要です。

●自分に対するイメージを健康的にもっている人は、他の人々の価値を下げるようなことを進めたり、続けたりしません。


 新しい、または外国からの生徒が歓迎されている雰囲気をつくりましょう。転校生は注目を浴びますが、多くの場合仲間から笑い者にされたりすることもあります。昔からいる生徒に新しいメンバーの友達になるように勧めて行きましょう。

 肌の色を比べ、対比させて、それぞれの色の美しさや多様性を強調しましょう。

 もしも、あなたの生徒たちの中で、めにつく肌に色の違いがある場合、以下の活動を例示しておきます。そのような生徒がいない場合は、写真をつかって、肌の色の違いを示す事も出来るでしょう。


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幼稚園か小学校の生徒たちに、円を作り手を引っ張るように言います。

●なにがおこりましたか?

●それを見て、どう思いましたか?

●これは何を伝えようとしているのでしょうか?

 活動の終わりに、人はみな違うパッケージでできていて、それぞれが特別なもので、他の人への贈り物なんだ、と伝えましょう。「人は贈り物」の歌を歌う事も出来ます。

***************

 人は神様から私に送られた贈り物
 それは一つ一つ違った包み紙
 ゆるく包んだものもあれば、きっちり包んだものもある
 でも、包み紙は贈り物じゃないんだ
 わたしは神様からの贈り物
 わたしはそれを受け取るのかな?
 わたしは人、だからこそ
 すばらしい人生の贈り物
 わたしもだれかへの贈り物?
 それはきっと、あなたや、あなたへ贈られたもの。
 わたしたちはみんな人、みんな贈り物
 さあ、みんなで贈り物の交換をしよう

**************



•人種や文化に対する偏見について書かれた物語(例えば、ローザ•パークスやマハトマ•ガンジーの話)は生徒たちに偏見の被害者の視点をもつための導入となるでしょう。

********

例:ローザ•パークスの物語

 1955年12月1日、黒人の裁縫婦をしていたローザ•パークスはアラバマ州モンゴメリーの仕事場から家へむかうために、バスに乗っていました。1日の仕事にぐったりと疲れていた彼女は、白人専用席との境界線から始めの列に座っていました。バスは満員でした。また白人の乗客が乗り込んで来たので、バスの運転手は分離法に基づいて、白人の男性に席をゆずるように彼女に命令しました。彼女は静かにそれを拒み、その後逮捕されました。

出典:Holmes,Robert.J.,ed(1990). Nonviolence in Theory and Practice. CA:Wadsworth Publishing Company


• 生徒たちにこの物語についてどのように感じたか聞きましょう。

• 生徒たちに今日の世界では異なる伝統や信仰、民族の集団によって成り立っている事を伝えましょう。

•みんなに聞きましょう:あなたがローザ•パークスだったらどうしたでしょうか?もしあなたが、白人の乗客だったらどうでしょう?

•生徒に、不寛容の結果としては、集団どうしの対立になる事を伝えましょう。

•生徒に、この事態であってほしい状況はどんなものか想像してみるように伝えましょう。

•生徒に世界は意見の衝突ではなく、連帯が求められている事を伝えましょう。


 リソースパーソン(外部講師)を招きましょう。異なる民族、社会的経済的階層、宗教をもつ人たちに、自分たちについて、仕事、希望、夢や叶えたい願望など語ってもらいます。平和や人権の提言を続けている先住民の方をお招きしましょう。これは“2つのろうそくに灯をともす”ことに役立ちます。一つは生徒たちにある問題についての目を開く事、もう一つは、多様性のなかにある共通点について、生徒たちが知る事になるからです。

 生徒たちが、自分とは違っていると思う人々と一緒に活動する機会を作りましょう。
ゴードン•オルポート(1958)は異なる人々と相互に影響を与え合うような機会を設けることが偏見縮小に役立つという彼の接触理論をのべています。

 違う社会経済階層、文化、民族が違う人々と生徒が、相互に影響を与えあう、没頭出来るような、または姉妹/双子校プログラムはとても成果のなるものとなるでしょう。

 ここでは姉妹/双子校プログラムを紹介します。

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理解と平和の架け橋を築く
 ミリアムカレッジとラジャムダ高校の姉妹校事業

 双子校事業はマニラのケソン市にあるカトリックのミリアムカレッジ(MC)と、ミンダナオ中央部にある紛争地域、コタバト市、イスラム教地域のピキット(Pikit)にある公立高校ラジャムダ高校(RMHS)とで立ち上げた事業です。子の事業のテーマは「理解と平和の架け橋を築く」であり、MCとRMHSの生徒たちが、お互いの文化をよりよく理解しあい、現在イスラム教徒とキリスト教徒の間にある偏見という障壁を取り除くことを目的としてます。手紙が両校を行き来し、ペンフレンドが育って行きました。

 双子校事業は手紙の交換をこえて発展して行きました。共同発行のニュースレターを定期的に刊行し、エッセイや詩や絵など両校の生徒たちが寄稿したものが掲載されています。お互いに手紙をやり取りし、ひとり一人と友情を育み、武装紛争のさなかにあるラジャムダの地域の問題に気づき、正義、協力、連帯そして相互に尊敬し合い、違いがあってもお互いを受け入れることの必要性を理解する事を生徒たちがいかに大切に思っているか、彼女たちの貢献を見ればわかります。ニュースレターのタイトル「パガサ」は希望を意味するもので、生徒たちの話すタガログ語でもマギンダナオン語両方で使われています。これは、希望が平和を築くための基本的な要素であることからもぴったりでした。

 事業のハイライトは生徒たちがお互いに会う機会が与えられる事でした。ワークショップでは手紙で知り合った友達と語り、双方の文化的和解を推進するための活動に着いても話し合われました。

 事実、私たちが行きている社会は分断の長いリストがあり、文化、宗教、民族の違いによる違いや格差が存在します。その格差によって視野が狭くなる事も多いのです。二つの学校はシンプルですが、意義のある事業に乗り出す事で、この格差を埋めようとしています。そしていま、私たちは次第に橋を渡す作業に少しずつ成功しているのです。

********************

•国連の日のお祝いに、衣装を着てパレードをしよう!
生徒たちに、異なる文化のダンス、ゲーム、言葉や表現をクラスメートに教えてあげよう(例:平和を他の言葉でいうと、等)。他の文化の人々の食べ物をもってきて、持ち寄ったものの簡単に説明してもよいでしょう。

•異なる信仰や文化背景をもつ生徒たちに、みんなに信仰や生き方について説明する機会をつくりましょう。そして、全ての生徒がそれぞれの信仰や生き方を尊敬し合えるようにしましょう。

•前もってやる活動として、生徒たちがまず自分たちを肯定的に受け止められるような場づくりが必要です。The self-fulfilling prophecy theory自己実現予言理論によると、人は他の人が思う通りのものになっていくと言われています。よい自尊感情は調和のとれた関係を進めて行くための、石津絵となります。

*******

活動例:
 それぞれの人の背中に紙を貼り、みんなその人の良い所を書くように言います。全員が書き終わったら、それぞれ自分の紙に書かれたコメントを全部読むように言います。そして、そのときの気持ちについて聞いてみましょう。

**********

•もしも、文化や性別や宗教、社会経済状況や身体的な違いによって仲間はずれにされている様でしたらとりなしていきましょう。

•もしも、生徒が他の人を傷つけたり、差別したりするような記述をした場合は介入します。(たとえば、女は弱い、男は泣くな、貧乏人は泥棒、イスラム教徒はテロリスト、等)

•憎悪には反対し、生徒たちがに、人が差別されたり、傷つけられたりする時にはそれを止めるように促して行きましょう。

次に上げるのは、Stern-LaRosaとBetmann(2000)によって書かれた「偏見に反対する誓い」です。生徒たちに、これを個人の誓いとしたいかどうか聞いてみましょう。その理由も。

*************

わたしは、本日から、偏見を阻止し、止めさせるために、最善を尽くす事を誓います。偏見は、憎悪、傷つける事、ハラスメント苦しめる事、すべての人の市民的権利への暴力の原因であるからです。わたしは、自分と違う人々に対する自分の先入観を常に自覚するようにします。わたしは、私がりかいできない文化や宗教や人種に関する事は問いかけるようにします。わたしは、人種、宗教、民族と性的指向の違いによって人をあざけり、威圧し、実際に傷を負わせるような人にははっきりと反対します。わたしはそのような攻撃の対象にされる人を支援するために行動します。わたしは、私の学校や他の生徒たち、そしてわたしの地域コミュニティが人々を尊敬し偏見のない区域となるようにするための特別な方策を考えて行きます。わたしは、憎悪に反対する際に“罪のない傍観者”であることは絶対に出来ないと固く信じています。


***************


•生徒たちに行動することを呼びかけましょう。彼等に偏見と差別に立ち向かうために適正にすべき事を反映させた文章を完成させるように言いましょう。
例えば:「差別をなくすために、私は〜〜〜します」


 現実に、偏見や差別の問題を創造的に、倫理的に解決することが必要です。偏見を縮小することは確かに手に余るような仕事です。あまたの新しいやり方の中で、寛容の為の教育は、多様性の真ん中で人々が共に平和のうちに生きる世界を見たいと思う人々にとって、実行可能な選択肢なのです。



















 
by PE2012 | 2013-03-01 13:16


平和教育推進キャンペーンの一環で作成されたテキストを翻訳し、広げるプロジェクト。みんなの力で平和への道を拓きましょう。


by PE2012

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